Googleの社員研修を発端に、一気にビジネスシーンに広がったマインドフルネス。
世界中の先進企業やビジネスパーソンに取り入れられている背景には、どんなことがあるのでしょうか。
ストレスマネジメント
一つに、ストレスマネジメントとしてのニーズ。
生きているだけでも、いろんなことは起こるし、
生老病死は避けることができないもの。
そこにお仕事や多くの人間関係が絡むことで、必要以上にストレスがかかる場面も多いようです。
さらに、
ネットの普及による情報過多、変化も激しい現代では、こなすスピードも量も求められる上に、
これまで当たり前だった常識や価値観も変わり、判断が難しい。
正解がない時代とも言われ、さらにすごくストレスがかかっている大変な状況だということ。
責任やプレッシャー、難しい決断の連続。
無意識、無自覚にも心が疲れている人も多いかもしれません。
あるリサーチによると、そんな過酷な状況の中でも自分の心のケア法を知っている方は、たったの2%だと言われてます。
まさに、そのストレス対処法としてマインドフルネスが着目されているということ。
EQの向上
ビジネスパーソンがマインドフルネス瞑想を取り入れるもう一つの理由が、EQを高めるということ。
EQ(Emotional intelligence Quotient)=心の知能指数、または感情知性
心の知能とは、自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする能力
ますますAIが台頭していくこの時代に、ビジネスにおいて求められることのほとんどが、
「心のあり方」であるとして、このEQが注目されています。
EQにおいて、最も土台となる大事な構成要素は自己認識力。
それは、自分の感情の動きを知るということ。
自分がどんな時に、喜び、悲しみ、またどんな時に最高にモチベーションやパフォーマンスが高まり、逆にどんな時にそれらが下がり、またそこから回復することができるのか?
そして、自己認識において、とても重要なのが自分の大切にしたい価値観を明確にするということ。
認識した上で、その価値観に沿ったあり方で日々過ごし、お仕事に向かうことはやりがいの向上や充実感へと繋がり、逆に大きくずれた生き方をしていると、「何か違う」という違和感を感じながら毎日を過ごすことになったり。
自分の内面の動き、体感覚を感じて、気づくことで、
衝動的にではなく今度はどうしたいのか?という選択ができるようになり、
その冷静な判断は今度は自己管理(セルフマネジメント)力の土台になっていく。
リーダーシップを求められる立場の方にとって、最も求められる性質がこの自己認識力とも言われており、
それが自身のパフォーマンス向上へと働いていき、周りに広がることでチーム力も向上していきます。
このEQとマインドフルネスには大きな相関性があり、
EQを高めるのに、マインドフルネスのあり方がとても有効だということ。
ウェルビーング
また、1つ目と2つ目に共通しているのが、どちらもウェルビーングに繋がるということ。
WHOの定義によると、
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあること
世界保健機関(WHO)
ウェルビーングな状態にあることで、自分自身はもちろん、周りにも良い影響を及ぼしていきます。
自分が満たされていることで、相手を思いやる余裕にもなり、コミュニケーションもより共感も生まれやすくなる。
そして良好なコミュニケーションは信頼関係を築く上でとても大事な要素です。
その土台が、周囲に心理的安全性をもたらし、自発的にチャレンジしやすい職場環境を作ってくれます。
結果、より強くパフォーマンスの高いチーム・組織へと育っていく。
マインドフルネスは、生きていく上での深い智慧をもたらすと同時に、
私たちの生活の中でのかなりの比重を占めているお仕事においてもかなり多くの恩恵をもたらしてくれるということ。
まさに、
「自分の人生もビジネスもより良くなっていく心の習慣」
あり方なのです。